ブックタイトル高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

活動報告Pick up1.UBC活動の概要7月に幡多地域に着任したと同時に高幡地域も担当したほか、自身の専門分野ではエリアにとどまることなく活動した。7月以降の8ヶ月で、404件の打ち合わせ、約17000キロの運転走行を実施し、67件のプロジェクトに関わった。分野別にみると、食品や一次産業などの産業振興、情報化、行政経営、交通などが多くみられた。図1は筆者が作成した地域連携プロジェクトにおけるUBCのプログラムフローである。ここでは、ある地域連携プロジェクトにおいて、課題設定や企画構築などの太枠の要素を、UBCがもたらす中間アウトカムとして捉えている。このプログラムフローでは、67件のプロジェクト中、UBC活動によって課題設定出来たのが20件、企画構築できたのが23件、企画実施できたのが27件となった。このように、UBC活動は、地域や大学がある企画を実施する上で、その課題設定や企画構築といったプロセスまで深く関与した。ここでは、67件のプロジェクトから代表的な2つのプロジェクトの概要について紹介する。いずれも受託として実施したものである。2.事例「黒潮町缶詰プロジェクト」防災の町「黒潮町」が設立した黒潮町の缶詰(図1)地域連携プロジェクトにおけるUBCのプログラムフロー(筆者作)第三セクター「黒潮町缶詰製作所」が、災害時の非常食の開発とともに缶詰食品の製造・販売を行う。大手量販店らと連携して販売することで、地域資源の付加価値拡大と雇用の場を創出しようとする産学官連携の産業創出プロジェクトである。高知大学としては、筆者がプロジェクトの企画立案からプロジェクトマネジメントを担当するとともに、自治体や三セクのスタッフとそれらの活動を共にすることでOJT方式による人材育成を実施している。このほか、受田教授や島村准教授らが黒潮町缶詰製作所の品質管理スタッフと協同で実用性の高い食物アレルゲンの検査方法を構築中である。これらの結果、本プロジェクトでは、仕入れの域内化、都内での自社商品の展開、直売所の開設につながったほか、エライザ法を用いた検査技術を習得できるなどした。3.事例「四万十町生姜研究会」生姜生産量日本一の四万十町が、生姜を用いた地域おこしをしようとする生姜プロジェクトのひとつであ生姜研究会の模様る。高知大学は、受田教授や島村准教授らが、生姜の成分や経時的変化、味覚分析、未利用部分に関する実態などを調査した。当初は自身の生姜の特徴をしるために成分分析を実施してほしいと寄せられた要望であったが、筆者はさらに産業振興につながる分析企画の目的の設定、企画や座組の構築を提案したほか知財活用勉強会を開催するなど、研究成果が直接的に産業振興に関与するべくプロジェクトの推進を図っている。謝辞これらの活動がこれほど充実した内容として実施できたのは、高知県の幡多・高幡の地域本部、黒潮町・四万十町などをはじめとする地域のみなさまが暖かく迎え入れてくださったおかげである。また、これらは高知大学地域連携推進センターの仲間や研究者らとともに出した成果の一部である。ここで改めて感謝の意を申し上げたい。10 | Kochi university Inside Community System | Annual report 2014