ブックタイトル高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

活動報告Pick up「クラウドファンディングを活用した棚田再生プロジェクト」嶺北地域において、UBCが様々な役割(コーディネーター、コネクター、コンサルタント、アドバイザー等)を担いながら、地域のニーズと大学の資源をマッチングさせ、嶺北地域の課題である外部資源の呼び込み、地域活性化に繋げる事例として、大豊町八畝(ようね)地区で実施しているクラウドファンディングを活用した耕作放棄地再生の取り組みがあります。NPO「大豊シャクヤクの会」、農学部教員、学生、UBCらが連携し、インターネット上で不特定多数から少額資金を調達するクラウドファンディングサイトを開設し、大豊町八畝地区で長年放棄された耕作地を再生させ、絶滅危惧種に指定されるヤマシャクヤクなどを栽培し保護する取り組みを開始しています。ました。シャクヤクは枯れると肥料にもなり土壌改良にもつながります。本事業の背景は、2014年8月、大豊町でクラウドファンディングをテーマに講演した出前公開講座に参加していた大豊シャクヤクの会のメンバーから、棚田再生の取り組み拡大のための民間資金調達ニーズと手法の相談をUBCが受けたことにあります。その後、棚田再生への取り組みにクラウドファンディグの導入を発案し準備が本格化することになります。2014年11月にクラウドファンディングの実施経験のある、あるいは関心のある学生有志団体の結成をUBCがサポートし、農学部教員による学生や地域住民への開墾、栽培に関する技術指導、大豊シャクヤクの会のバックアップ体制が整いました。2015年3月にサイトを開設し、活動に共感し資金提供いただいた方への見返りとして大豊町産の米、野菜、ジビエ(野生鳥獣の肉)セット、同地への体験交流プログラムの提供などを贈ります。学生がクラウドファンディングを企画実施するこ高知県大豊町は、高知市内から約40キロの距離にある、四国山地の中央部に位置する山間地域で、もっとも高齢化と人口減少が進む、限界集落の代表例とされる地域です。その中で大豊町八畝地区は、人口77人33世帯ほどの小さな地区で、住民の平均年齢も65歳以上とまさに限界集落と呼ばれる地域です。江戸時代以前から標高200mから1400mの山肌を開墾した棚田で米や茶などを栽培していましたが、近年は農家の高齢化や後継者不足によって耕作放棄地が増え、棚田は年々減少を続けていました。以前から農学部教員が研究フィールドとしていた当該地域で、2013年に「大豊シャクヤクの会」が発足。同地でこれまで耕作放棄地約850平方メートルを開墾し復活させた棚田に、同地に自生し森林伐採の影響で減少していたヤマシャクヤクなどを栽培してきとには一定の教育効果があると考えられます。地域を知り課題や背景を理解する、他者への共感、現場に足を運び地域の魅力を知りそれをどのように発信するか、現場や支援者目線に立ったコミュニケーション力の向上、チームビルディング、成果が可視化され自信と反省につながります。「限界集落を人々が集う憩い集落にしたい」。嶺北地域で大学教員、学生、地域NPOをUBCがコーディネートして地域活性化に新たなアプローチで挑戦する取り組みが生まれています。12 | Kochi university Inside Community System | Annual report 2014