ブックタイトル高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

ス教職員、地域コーディネーター)で相談の機会を設けるようにしています。地域の方に詳細なアイデアがある場合もありますが、この相談の場で具体的なプログラムを話し合って決めていきます。その際に、お伺いする地域はどのような地域で、担当者の方は何が問題だと感じているのか、当日、学生が入ることでどのような効果を期待しているのかなどを確認していきます。地域の方からは「イベントを盛り上げてほしい」「特産品の販売促進について考えてほしい」「移住促進について考えてほしい」「地域活性化の方策について考えてほしい」などのご要望が出るのですが、ツアー当日に初めてその地を訪れる学生が一日で出来ることには限りがあります。話し合いを通じて、漠としたイメージから具体的に「地域住民の誰にどのように感じてほしいのか」「誰にどんな効果を出せると良いのか」を明確にし、地域の方との触れ合いと協働作業をベースにプログラムを形にしていきます。学生が1日で見聞きした知識・情報で地域全体を活性化するようなアイデアを出したりプランを練ることは難しいのですが、限られた時間内でプログラムの効果を最大限引き出すために、地域が望むこと、困っていること、学生にとって学びとなることを地域と大学がともに考え、予め協議することがとても大切です。上記のプロセスを経て、プログラム内容が決定するとポスターを作成し、朝倉、物部、岡豊の3キャンパスに掲示。参加者の募集を開始します。併せて過去の参加者にはe-mailでの案内も行っています。実施当日は教職員・地域コーディネーターも同行し、学生の支援や地域の方との現場での調整を行います。また、活動当日終了時には、学生に振り返りシートを記入してもらい、経験の内在化の支援をしています。振り返りシートの項目には「地域の(お世話になった人)ために自分は何が出来るか」の設問を設け、次の行動への後押しや地域のことを自分のこととして考えられるようする手助けを行っています。2.参加学生の声大学の中で限られた人とのコミュニケーションがほとんどの学生にとって、世代の異なる地域の人と話をし一緒に作業する、一緒にご飯を食べる、一緒にワークショップをするなど「外」の世界に触れることがまずは最初の大きなステップ。プログラムでは更にそこから一歩踏み込んで地域に暮らす人の懐に入るような活動を意識しています。人に興味を持ち、人が語る言葉から地域の暮らしを想い、課題を発見できるようになればと期待して企画をしています。このため参加した学生の振り返りには「地域の方の自分たちの地域に対する愛着や誇り」「コミュニティの絆」と言った言葉が多く登場します。このことから「地域の人の想い」はわずか1日であっても学生に確実に伝わっていると思います。以下は参加学生が記入した振り返りの抜粋です。5月17日中土佐町大野見・モーニングサービス★人文学部3年男子活動を行っていく中で大切なことは内容と言いうよりも大野見の方々のように自分たちも笑顔で楽しみ一緒に一体になって行っていくことであるとわかりました。5月17日大豊町八畝地区きび植え付け★理学部3年女子地域に地域外の人が入って活性化をしよう!としたとき、どうしてもそこにお金を生み出すことを考えてしまいます。もちろん、地域として続いていくためには、お金も必要不可欠なのでそれを否定するつもりもないし、考えを一転させることもきっとしないと思います。しかし、地域の方が一番に望んでいることは実際にそこへ行き、短い時間だけでも話をしたり交流をし、「素敵な場所だね」と愛着を持ってもらうことなんだろうなとこのえんむすび隊を通して感じました。14 | Kochi university Inside Community System | Annual report 2014