ブックタイトル高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

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高知大学KICS年報

ぜこの授業を受講しようと思ったのか」の問いかけに、きちんと答えていた。自分の学生時代と比べると随分しっかりしているなと思いました。出会った頃は学生も私も会話も堅かったし、質問をしても二言三言の返事しか返ってこなかったのが、何度かフィールドで体験を重ねるうちにフランクに会話できるようになりました。彼らの表情もやわらかくなりましたね。実際に体験プログラムで地域に出る活動を繰り返す中で、「良い意味でこの授業はこんなもんだ」というのが体にしみこんだのかなと。学生の変化と成長を感じました。それに外に出たときは学生たちがとても生き生きとしていましたね。―今回の一連の大学のプログラムをどのようにご覧になりましたか。名木:東部博のブラッシュアップツアーの前に安田町中山地区でえんむすび隊があったので参加させてもらいました。実際に体験するまでは「自然薯を植えて地元の人と一緒にワークショップをする」という中身だけで間が持つのかなと疑問でしたが、実際にはそれで十分かなと思います。東部博シリーズは少し盛り込み過ぎた感があって体験するだけに終わってしまったかなという所はあります。体験した後に地元の人と話す機会を持ち、その人たちが何を考えているのか、何を伝えたかったのかを聞く、また次に来たいと思ってもらう状況をつくるが大事かなと。―ワークショップというキーワードが出ましたが、受入れ側の名木さんにとってどのような場でしたか。名木:通常私たちみたいな行政職員が地域に出て行ってそこの人達に改まって「これからどうして行きたいですか」と聞いたところでなかなか答えてくれません。孫世代の大学生だと地域の人が口を開いてくれるし話をしてくれる。学生に対して地域の人が話していることを聞いて「なるほどそんなことを考えていたのか」と初めて知ることも多かったですね。―この取り組みで名木さん自身が変わったことや意識したことはありますか。名木:自分は説明下手なので、とにかく分かりやすく簡単な言葉で伝わるように話をすることを意識しました。実は、高知大学の授業の後に他大学でも説明をする機会があったのですが、高知大学での経験が活かされ、段々と上手く説明出来るようになったと自画自賛しています。自分自身も勉強になりました。また、私は安芸市出身ですが、大学のプログラムを通じて、大学生と同じ視点で安芸市以外の東部地域を訪問し、地域の人の意見を聞けたというのが大きい。意外と隣町のことを知らなかったりするし、名前は知っていても実際には行ったことのない観光施設もある。東部の観光施設に携わる人たちにも東部全域とは言わないまでも、ぜひ同様の経験をしてもらえたらと思い、先日研修を企画しました。「現地に行って、見る」。これだけですが、まずは隣町を知ろうよという思いで始めました。今後も市町村の枠を超えて連携してやっていきたいと思います。―大学生が来ることで地域側が変わったことはありますか。名木:やはり大学生が来ることで地域が元気になる。今回の縁が切れないように行政としてもサポートしたいし、大学にも継続的な取り組みに出来るようバックアップをしていただけたら。今回改めて分かったのですが、地域にあるそのままのもの「で」良い。そのままのもの「が」良いということ。それが地域外の人にとっては新鮮であるということ。「来てくれるからもっと新しいことを何かやろう」じゃなくて、普段通りのことをする。それを続けていくと、学生なり観光客が来て地域の活性化につながると思います。―今後、大学に希望することはありますか。名木:今は東部博という事業があって予算もありますが、これが終わっても出来たご縁を繋いでいきたい。地域の人はKochi university Inside Community System | Annual report 2014 | 17