ブックタイトル高知大学KICS年報

ページ
9/62

このページは 高知大学KICS年報 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

高知大学KICS年報

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

高知大学KICS年報

活動報告Pick up仁淀川流域広域観光イベントへの地域と学生の協働の実施仁淀川流域に位置する6市町村では仁淀川を核とした広域観光事業に連携して取り組んでいる。仁淀川は水質が最も良い河川の一つであり、最上流では「仁淀ブルー」に代表される他の河川では見られない美しい情景が見られるなど、観光資源として再認識されつつある。このような仁淀川を活用した観光事業も近年盛んとなっており、川下りや水遊び、カヌーといった体験型の観光や、源流の自然風景を活かした誘客、水質を活かした昔ながらの手漉き和紙製作体験などが各地で行われている。しかしながらこれらの動きは個別の動きにとどまっており、流域全体の活動としてはまだまだ発展途上であった。そうした中で、本年度は流域6市町村で取り組む大規模連携イベントとして「仁淀川ひな回廊」を実施することとなった。このイベントは市町村ごとに行われていたひな祭りイベントを、一体的なイベントとしてPRすることで、個々の個性は活かしつつ流域全体の盛り上げを図るもので、これまでひな祭りイベントが行われていなかった市町村においても実施されることとなった。高知大学に対しては、高知県仁淀川地域本部を介して、高知大学の学生と連携し、地域住民との協働による活動が行えないかとの相談があった。具体的にはイベントを実施するにあたっておひな様を並べ、地域内を彩るお手伝いをしてもらいたいとの要請があった。これに対して、学生が地域で活動することの趣旨である「学び」の部分について、地域の実施主体や地域支援企画員を交えた話し合いを幾度も行い、6市町村のうち、土佐市と佐川町の2市町で「えんむすび隊」を実施することとした。土佐市のえんむすび隊は、イベントの趣旨が商店街の空き店舗を活用した活性化事業であったため、商店街活性化を考えるという学びを設定し、昭和50年代までの賑わっていた頃の商店街について、古い写真を活用しつつ地域の方に解説をお願いし、現在の商店街との違いを学生自らが考える場を設定した。こうすることにより、地域活性化を考え、それを実施する裏方や地域住民のことを理解する機会が得られた。また、20年以上にわたりシャッターが閉まった店舗のシャッターが開いたことで、昔を懐かしみながら学生に声をかけていく住民の方もおられ、地域へいくらかの影響を与えることができた。佐川町はこれまでも継続的にひな祭りイベントを行っていたものの、主体となる団体の高齢化も進む中で、学生との協働を要望していた。学生にとっては土佐市の場合と異なり、長年にわたり地域活性化を行っている住民団体との協働を行うことで、悩みや困難さも含めた様々な話を聞く機会となった。08 | Kochi university Inside Community System | Annual report 2014