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開催報告 第2回「林鉄と暮らし」のオーラルヒストリー研究会


会場の様子

皆さん、こんにちは!!
高知大学地域コーディネーターの赤池です。今日は、3月11日(土)に開催した第2回「林鉄と暮らし」のオーラルヒストリー研究報告会のご報告です。

会場である安田町集落活動センターなかやまは、かつて魚梁瀬森林鉄道がすぐ近くをはしり、歩いて数分の所に今も森林鉄道遺産(国重要文化財)が残っています。会場内には、立体模型や絵図を展示し、「小さなミュージアム」となりました。高知県内から研究者、保存会会員、地元住民、行政職員、郷土史家、鉄道マニアなど約30名の参加がありました。

立体模型 絵図

第2回となった研究報告会は、高知大学人文社会科学部教員らが進める聞き取り調査・資料調査にくわえ、昨年秋に開催した「高知の森林鉄道∞」報告、日本遺産推進協議会への参画に関して報告がなされました。また、一橋大学でラオスの鉄道インフラ研究をされている難波美芸様を招聘し、様々な分野から「鉄道と暮らし」について議論・情報共有しました。

松本志帆子さま(藁工ミュージアム)には、昨年度開催した「高知の森林鉄道∞」展の取り組みを紹介いただきました。約800名の入館者の満足度は高く、森林鉄道とともにあった高知の暮らしや文化を伝えることができた。また、森林鉄道遺産の残る中芸地域に行ってみたいという感想が多く寄せられたことを報告いただきました。

岩佐光広さま(高知大学人文社会科学部)には、「魚梁瀬森林鉄道」日本遺産推進協議会のメンバーとして、ストーリー作成に参画した経験から「地域の魅力の語り方」について報告いただいた。「内の眼」と「外の眼」で地域の新しいストーリーを紡ぐことの大切さを再確認しました。

赤池慎吾(高知大学地域連携推進センター)は、聞き取り調査と並行して実施している資料調査の結果を報告しました。なかでも、昭和7年当時、魚梁瀬森林鉄道の便乗者数が約40,000人(全国第3位)に上り、暮らしと林鉄が密接に関わっていた様子を紹介しました。

難波美芸さま(一橋大学大学院社会学研究科)は、鉄道インフラが社会にどのようなインパクトを持つのかと言う視点で、政治、経済、文化、芸術の様々な視点から報告いただいた。また、東南アジアの鉄道遺産と観光の取り組みについて、ご報告いただいた。

最後の意見交換では、森林鉄道遺産の活用について、森林鉄道を知るミュージアムをつくりたい、実際に林鉄を走らせようといった意見も出て来ました。

魚梁瀬森林鉄道が廃線となり50年がたった今、地域内外の知恵を絞って地域を盛り上げていきたいと考えています。

松本志帆子 岩佐光広 赤池慎吾 難波美芸

※本調査研究は、高知大学H27・28年度学生の県内定着または雇用創出に係る研究経費(COC+事業)の一部である。


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