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えんむすび隊受け入れ地域の声


 高知大学リエゾンオフィス コラボレーション・サポート・パークが実施している、高知大生のための 地域で学ぶ、地域を学ぶ 1日だけのSTUDYツアー「えんむすび隊」。平成26年度は36回を企画し、延べ260人の学生が参加しました。

 先日は最多参加者の学生の声をお届けしましたが、今回はえんむすび隊の受け入れをしてくださった地域の方の声をお届けします。

 お話を伺ったのは、えんむすび隊及び地域関連科目フィールド実習の受け入れ窓口となって頂いた高知県東部地域博覧会推進協議会事務局チーフ・名木栄作さん。

 名木さん高知県東部地域をフィールドとした2014年度共通教育初年次科目・課題探究実践セミナー・地域協働入門IV(地域関連科目)と東部博シリーズのえんむすび隊の受け入れ窓口となってくださいました。名木さんが高知大生に期待したのは2015年4月から始まる「高知家・まるごと東部博」の体験プログラムのモニターとして改善点の洗い出しと東部の魅力に直に触れてもらうこと。結果は「お客様をお迎えする前に受入れ体制の改善点が見つかった。具体的なイメージがわいた。また、子供や孫の世代の学生のみなさんが地域に来たことは、地域にとってはものすごく嬉しいこと。大学生が地域にヒアリングしたときの、地域のみなさんの温かさに驚き、地域の底力を見た思いです」との評価を頂きました。

 高知県東部地域(もしくは東部博)を題材にした授業兼えんむすび隊は、奈半利町のまち歩き・シュノーケリングに始まり、室戸ジオパーク・カツオタタキづくり・地域ヒアリング、安芸市ナスの収穫・ナス料理、北川村モネの庭園内ガイドツアー・整備作業体験なまで多彩な内容で行われました。

えんむすび隊を受け入れて 

高知県東部地域博覧会推進協議会事務局チーフ・名木栄作さん

−名木さんは高知大学理学部の卒業生。学生達の先輩でもあります。久々に母校の後輩に触れた感想は。
名木:初めて授業の受講生に会ったのは、4月。一年生でまだあどけなくて「大学生」になりきっていない感じでしたが、「なぜこの授業を受講しようと思ったのか」の問いかけに、きちんと答えている。自分の学生時代と比べると随分しっかりしているなと思いました。出会った頃は学生も私も会話も堅かったし、質問をしても二言三言の返事しか返ってこなかったのが、何度かフィールドで体験を重ねるうちにフランクに会話できるようになりました。彼らの表情もやわらかくなりましたね。実際に体験プログラムで地域に出る活動を繰り返す中で、「良い意味でこの授業はこんなもんだ」というのが体にしみこんだのかなと。学生の変化と成長を感じました。それに外に出たときは学生たちがとても生き生きとしていましたね。

―今回の一連の大学のプログラムをどのようにご覧になりましたか。
名木:東部博のブラッシュアップツアーの前に安田町中山地区でえんむすび隊があったので参加させてもらいました。実際に体験するまでは「自然薯を植えて地元の人と一緒にワークショップをする」という中身だけで間が持つのかなと疑問でしたが、実際にはそれで十分かなと思います。東部博シリーズは少し盛り込み過ぎた感があって体験するだけに終わってしまったかなという所はあります。体験した後に地元の人と話す機会を持ち、その人たちが何を考えているのか、何を伝えたかったのかを聞く、また次に来たいと思ってもらう状況をつくるが大事かなと。

―ワークショップというキーワードが出ましたが、受入れ側の名木さんにとってどのような場でしたか。
名木:通常私たちみたいな行政職員が地域に出て行ってそこの人達に改まって「これからどうして行きたいですか」と聞いたところでなかなか答えてくれません。孫世代の大学生だと地域の人が口を開いてくれるし話をしてくれる。学生に対して地域の人が話していることを聞いて「なるほどそんなことを考えていたのか」と初めて知ることも多かったですね。

―この取り組みで名木さん自身が変わったことや意識したことはありますか。
名木:一つは、自分は説明下手なので、とにかく分かりやすく簡単な言葉で伝わるように話をすることを意識しました。実は、高知大学の授業の後に他大学でも説明をする機会があったのですが、高知大学での経験が活かされ、段々と上手く説明出来るようになったと自画自賛しています。自分自身も勉強になりました。
 もう一つは、私は安芸市出身ですが、大学のプログラムを通じて、大学生と同じ視点で安芸市以外の東部地域を訪問し、地域の人の意見を聞けたというのが大きい。意外と隣町のことを知らなかったりするし、名前は知っていても実際には行ったことのない観光施設もある。東部の観光施設に携わる人たちにも東部全域とは言わないまでも、ぜひ同様の経験をしてもらえたらと思い、先日研修を企画しました。「現地に行って、見る」。これだけですが、まずは隣町を知ろうよという思いで始めました。今後も市町村の枠を超えて連携してやっていきたいと思います。
―大学生が来ることで地域側が変わったことはありますか。
名木:やはり大学生が来ることで地域が元気になる。今回の縁が切れないように行政としてもサポートしたいし、大学にも継続的な取り組みに出来るようバックアップをしていただけたら。今回改めて分かったのですが、地域にあるそのままのもの「で」良い。そのままのもの「が」良いということ。それが地域外の人にとっては新鮮であるということ。「来てくれるからもっと新しいことを何かやろう」じゃなくて、普段通りのことをする。それを続けていくと、学生なり観光客が来て地域の活性化につながると思います。

―今後、大学に希望することはありますか。
名木:今は東部博という事業があって予算もありますが、これが終わっても出来たご縁を繋いでいきたい。地域の人はやはり大学生が来ることを期待しています。そのためには大学生と地域の人が共に何かをできるようなきっかけをつくることが大切だと思います。地元の人と一緒に長い時間をかけて関係を築いていけたら良いですね。

―最後の東部博への意気込みをどうぞ。
名木:高知県の観光と言えば「坂本龍馬」「桂浜」「よさこい祭り」「カツオのタタキ」。これは全部高知市内で済んでしまいます。もう一つは西の雄・四万十川。「カツオのタタキ」の次の言葉に高知県東部地域のことを言ってもらえるようになったら私の仕事も花が咲いたかなと。これは東部地域だけでなく、高知県全体で取り組んでいかないといけないことかなと思っています。

―ありがとうございました!

名木さん

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