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【えんむすび隊】こいのぼりの川渡し発祥の地でお手伝い


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 4月16日日曜日、えんむすび隊はこいのぼりの川渡し発祥の地である四万十町十和地区を訪れました。

 初夏目前の時期になると、四万十町十和地区では子供が大きくなり家庭で上げなくなったこいのぼりを四万十川上空に上げています。十川体育会によって昭和49年頃から始まり、当初50匹程度だったこいのぼり。30年経った今では、県内外の方からの寄付などによって500匹以上になりました。風物詩となったこいのぼりの川渡しは海外の方の心にも響いたよう。要望を受けて、平成9年にはナイアガラの滝でこいのぼりを泳がせることにも成功したそうです。
 毎年、地域のソフトボールクラブに所属している小学生がこいのぼりの川渡しの作業をお手伝いしています。今回はえんむすび隊として学生も一緒にお手伝いをし、始まった経緯や現在抱えている課題などについて教えていただくことになりました。

 朝8時ごろ、えんむすび隊に参加した学生を乗せたバスが四万十町十和地区に到着しました。今回参加した学生は12名。多くの学生が四万十町に来たことがなく、初めて見る四万十川や四万十町の景色に歓声を上げていました。
 川渡しの準備のため集まった小学生と一緒に地域の方から簡単に今日の作業について説明を受けた後、いざ作業開始です。こいのぼりの川渡しは道路側と川を挟んだ山側の両側から渡します。そのため、学生も2つのチームに分かれて作業を行いました。
 まずは段ボールに入ったこいのぼりを色別に分けていきます。小学生と一緒に広場に並べるものの、大小様々なこいのぼりの扱いはなかなか難しく、悪戦苦闘。てきぱきと動く小学生を見習い二人一組で動くと、だんだんスムーズに作業を行えるようになりました。今回初めてこいのぼりを見た留学生は、こいのぼりの大きさや様々なデザインに驚いていました。
 色別に分け終わると、次はいよいよこいのぼりを吊るす作業です。同じ色が偏って並ぶことの無いよう注意しながら、一つ一つ丁寧にかけていきました。作業が進み、川を渡るこいのぼりの数が増えてくると、たまたま通りかかった人も足を止め、写真を撮って楽しまれていました。こいのぼりの川渡しの作業は県内でも注目度が高く、多くの報道の方が来られており、学生も緊張しながらインタビューに答えていました。


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 川渡しの作業が無事終了し、風に泳ぐ500匹あまりのこいのぼりを誇らしげに見上げた後は、お待ちかねの昼食です。
 今回は地元のおかみさん市で用意していただいたお弁当をいただきました。名産のしいたけのたたきや田舎寿司など四万十町尽くしのとても美味しいお弁当であっという間に完食してしまいました。

 昼食の後は、お話を伺います。十川体育会の方々からこいのぼりの川渡しが始まった経緯やこれまでの取組み、担い手として感じておられる今後の課題について、教わりました。往年の写真など用意していただいた資料を見ながら、学生たちも真剣なまなざしでお話を伺います。この日はベテランの第一世代の方々、第一世代からバトンを受取り継承する若手の第二世代の方々が、来てくださいました。全体での話の後、少人数に分かれて気になったことや分からなかったことなど詳しくお話を伺いました。


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 土地に根差した取組みを継承する意義と難しさとに触れ、地域の過疎化やイベントが地元にとって持つ意味合いについて改めて考えることができた一日は、学生にとってとても印象に残ったようでした。

 お世話になった皆さま、ありがとうございました。
 以下に参加した学生の声の一部をご紹介します。是非ご一読ください。

●地域協働学部1年女子
 “人と人とのつながり”に興味を持っています。今日はこいのぼりの川渡しという活動を通して地域の人々同士の交流が見れたり私達外部の人間が地域の人と関わることができ、貴重な体験になりました!!そして知らなかった四万十町の文化を知ることができ、もっと広まればいいのになと思いました。地域の人から言われた「人を呼び込むアイデアって何かない?」や「仕事があればここに帰ってくる人もいるのにな・・・」の声を実現できるように大学で学んでいこうと思います。

●教育学部交換留学生3年女子
 地域の住民の少子化が深刻化しているなか、この伝統行事を続けていきたいという思いが伝わってきた。こいのぼりがリサイクルという事に驚いた。ここに来るまではきっと新しいものをあげていると思っていた。日本らしいと思った。もっとアピールして海外の観光客を招いたらどうだろうと思う。

●人文社会科学部2年女子
 こいのぼりを揚げる手伝いを積極的にできて、地域の方にも「ありがとう」と言っていただけて、とても嬉しかったです。また、念願だった四万十川にも行けて、予想通りもしくはそれ以上に素敵なこいのぼりを間近で見ることができてとても幸せでした。
 今まで関わった地域の方とは考え方というか、気持ちが違っていて、とても前向きで雰囲気の良い方々だったので、自分自身こんなに楽しそうに活動している方々と一緒に働けて新鮮でした。高知の地元へのイメージが今回お話を聞くことでより良い方向へと変わりました。地域で一生懸命に地元を盛り上げよう、よりよくしたいという気持ちが伝わってきたので、また何か力になれることがあればお手伝いしたいと思います。

●人文学部社会経済学科3年男子 
 地元の方の想いやこの川渡しを次の世代に続けていきたいという強い気持ちを知れた。実際に体験するとその思いに共感でき、これからも世代交代をしながら続いてほしいと感じた。ただ、地元に残る若い担い手や戻ってくる人が少ない問題の深刻さも印象深く、雇用不足や職種の不足を解消する手立てがない今の状況をどう改善するかが今後の町の少子高齢化を左右すると思った。また、この風景の美しさがもっと広く多くの人に知ってもらうように何か良い計画があればよいと感じた。


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